黄泉国で醜い姿を見られた伊耶那岐命、黄泉醜女に次いで数で圧倒させるために黄泉国の鬼たち、黄泉戦と雷神8柱を仕向けます。
伊耶那岐命はこれらの軍勢に対して、火之迦具土神を斬り殺した剣、十拳剣で振り払いますが、完全に撃退とまで至りません。
ようやく黄泉国と地上の境である黄泉平坂(ヨモツヒラサカ:黄泉比良坂とも)まで来た伊邪那岐、そこにあった桃の実を投げつけると、それに恐れた雷神や黄泉戦たち軍勢は立ち去っていきます。
安堵した伊邪那岐、助けてくれた桃に意富加牟豆美命(ホオカムズミノミコト)と命名、これから困った人がいたら助けるように、と言います。
何を上から目線で偉そうに、と思う間もなく、ついに黄泉国から最後の刺客、伊邪那美が追ってきました。
ここまで追っかけてくるんだから、一度は愛した女(じゃない、女神)、もう殺されても本望でしょ、とは思いますが、伊邪那岐、非常にも伊邪那美が黄泉平坂を巨大な岩で塞ぎ、伊邪那美が通れないようにしてしまいます。
夫婦の永遠の別れに際して残した、2柱の名セリフがこれ。
伊邪那美「これから私は毎日、1,000人の人間を殺します」
伊邪那岐「それなら私は滅びないように毎日、1,500人の人間を産ませよう」
…凄まじい会話ですね。
美しい別れなんて、神々の世界でも存在していませんでした。