神々を産んだ伊耶那岐命の最愛の女神、伊耶那美命は黄泉国で姿を大きく変えていました。
蛆の集る腐った身体にまとわりつく蛇のような雷神たち。
その姿を見た伊邪那岐は凍りつき、黄泉国から一目散に逃げます。
子供である火之迦具土神を斬り殺し、黄泉国まで追いかけてきた情熱はどこへやら。
今度は醜い姿を見られた伊邪那美が半狂乱になる番です。
最初に、逃げる伊邪那岐を捕まえるために黄泉醜女(よもつしこめ)に伊邪那岐を追わせます。
この黄泉醜女、一飛千里(というから約4,000km、一飛しちゃうと日本列島から飛び出してしまうことになります)という能力を持つ恐ろしい顔の黄泉国の鬼女です。
伊邪那岐、追いかける黄泉醜女を追い払うために頭に乗せていた蔓草の輪を投げます。
その蔓草の輪が山葡萄の実になると黄泉醜女、その実を食べ始めます。
その隙を見て逃げる伊邪那岐ですが、実をすっかり食べ尽くした黄泉醜女がまたもや追ってきます。
伊邪那岐、今度は火を灯した櫛を投げつけます。
今度はそこから筍が生え、黄泉醜女、またもや筍を食べ始めます。
食い意地の張った黄泉醜女を役立たずと判断した伊邪那美、今度は身体にまとわりついていた8柱の雷神と1500体といわれる黄泉の鬼たちを追撃に仕向けます。
伊邪那美、早くも黄泉国を牛耳っていたわけですね。
愛と憎悪の追撃ドラマ、まだまだ続きます。
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