伊耶那美命の妖しい誘い文句と伊耶那岐命のダイレクトな口説き文句によって結婚した2柱、と聞くと、日本神話ってほのぼのしているじゃないか、などと考えるのは早計。
ここから日本神話のおどろおどろしい世界が始まります。
伊耶那美命が最初に産んだのは不具と言われる神様、水蛭子(ヒルコ:この後にアワシマという不具の神様も産んでいます)。
その異様に驚き、悲しんだ伊邪那岐と伊邪那美は葦の舟を作って海に流してしまいます。
伊邪那美と伊邪那岐はなぜ不具の神様が生まれたのか不審に思って別天津神(最初に誕生した3柱ですね)のところへ尋ねに行きます。
別天津神、なぜ不具の神様が生まれたのか占ってみると、どうやら女性神である伊邪那美から誘ったのがいけなかった、との回答(神様が占う、つまり神様のご神託を伺う、というのもどうかと思うし、別に伊邪那美から誘ったわけじゃないでしょ?などと突っ込みを入れたくなりますが、神話の世界というのはそういうもんだ、という解釈をしてくださいね)。
それで伊邪那美と伊邪那岐は再び淤能碁呂島に戻ると、今度は正式に伊邪那岐がお誘いし、九州や四国、本州や佐渡島など大八島と呼ばれる日本の大地を生み出していきます。
ちなみに、最初に大八島を産んだことから日本を大八島国(オオヤシマノクニ)と呼ぶ例もあります。