混沌の中から重く濁ったものが沈殿してできた大地、固まらぬうちにそこから誕生した3柱の国常立命(クニノトコタチノミコト)、国狭槌尊(クニノサツチノミコト)、国狭槌尊(トヨクムヌノミコト)。
日本書紀において、これらの神様のその後の記述はなく、続いて性別を持った4組8柱の神様が生まれます。
この辺り、古事記と日本書紀では違いがあるのですが、それを解説すると長くなってこのコラムが終わってしまうので、先を急ぎましょう。
このコラムでは日本神話の時系列を紹介する、ということに留めます(何しろ、日本神話は神道宗教とか天皇制とか、いろいろデリケートな問題も絡んでいるので)。
4組8柱の最後に生まれたのが、伊耶那岐命(イザナギノミコト)と伊耶那美命(イザナミノミコト)です。
最初に3柱、続いて4組をそれぞれ一代と数え、11柱を神世七代と言います。
伊耶那岐命と伊耶那美命は最初の3柱(神様のなかでも特別な存在として別天津神として呼ばれる)から命を受け、天からまだ固まっていない大地に天沼矛を刺し、ぐるぐるとかき混ぜ、矛を持ち上げるとその先から滴が垂れ、それが最初の大地、淤能碁呂島(オノゴロジマ)となります。
今度、カプチーノを飲む時、ぜひスプーンで試してみてください。
会話が行き詰まった時などの閑話休題としては、なかなか面白いでしょう。
「知ってるかい?イザナギとイザナミはこんな風にして最初の大地を作ったんだよ?」なんて。