では、古事記と日本書紀に則って、日本神話を時系列に追ってみましょう。
古事記と日本書紀は細部や名称において違いが見られますが、大筋は同じです。
進行上、古事記と日本書紀の物語が混在しますが、そこは大目に見てくださいね。
さて、世界の始まりですが、ギリシャ神話がカオス(混沌)だったように、北欧神話がムスペルヘイムとニヴルヘイム(火と氷)だけだったように、日本神話も存在のないところから始まります。
「天と地が分かれる以前は混沌としていた。やがてそのなかから、清く明るいものがたなびいて天となり、重く濁ったものが沈殿して地になった。だが天はすぐにできたものの、地は固まるまでに時間がかかった・・・」
日本書紀の序文はこのように書かれています。
この、未だに固まらぬ地から葦の芽のようなものが芽吹き、そこから最初の神様、国常立命(クニノトコタチノミコト)が誕生、次いで国狭槌尊(クニノサツチノミコト)、国狭槌尊トヨクムヌノミコト)の3柱が誕生した、と書かれています。
まあ、大地や中空に油のようなものが浮いて、そこから神様たちが誕生した、とか、国常立命以外、若干、名前が違っている神様が登場した、など、若干の異論はありますが、大筋はこんな感じです。