日本の神々の話をする前に、なぜ神々の話が生まれたのかを先に説明しておきましょう。
古代において天皇が国家を統一するようになれば、その天皇はどこから来たのか、という正史、つまり正しい歴史が必要になります。
それを追求すれば日本はどうして誕生したのか、というところまで行き当たりますね。
本来は地球の地殻変動と民族の大移動によって日本の大地と日本国民が誕生したのですが、それを言っちゃ神話になりません。
神話が生まれた時代、そんな地質学や民俗学もなかったわけだし。
そこで、日本はどのようにして生まれ、初代の天皇、神日本磐余彦尊(カムヤマトイワレヒコノミコト)こと神武天皇はいかにして誕生したのか、という正史が奈良時代に作成されます。
それが日本書紀。
皇族の1人、舎人親王(トネリシンノウ)が天武天皇の命を受けて正史とされる日本書紀を編纂、天養老4年(720年)に完成したと言われています。
日本書紀の編纂の参考にされたのが古事記。
こちらはちょっと古く、和銅5年(712年)に太安万侶(オオノヤスマロ)という文官によって編纂され、元明天皇に献上されています。
現在、日本神話と呼ばれている全ての物語は、この2編の歴史書から生まれています。