八白万もいる神様なんてわからない、とか、自分たちが祈願している神社にどんな神様がいるのか知らない、という言う前に、ちょっと思い出してみましょう。
じつは私たち、日本の神様については何柱か、確実に知っているのです。
たとえば天照大御神(あまてらすおおみかみ)。
簡単に言ってしまうと、弟である健速須佐男命(スサノオノミコト)が乱暴者で困り、洞窟(天岩戸)に閉じこもってしまうというお話の主人公ですね。
その乱暴者、健速須佐男命といえば出雲の国の怪物、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治で有名です。
それから因幡の白兎の話。
ワニ(サメ)に皮を剥かれ、悪い神様に騙されて肌を真っ赤にした兎は後の大国主大神(オオクニヌシノミコト)によって助けられます。
どれも馴染みの深い話ばかりですね。
確かに日本神話の世界、子供でも分かりやすいところから紹介されていますが、じつはこれらの物語、言ってみれば全体のほんの一部で、子供向けに編集されている状態です。
また、それぞれの物語は縦軸の一篇にしか過ぎず、時系列もバラバラです。
一度、日本神話の世界を時系列で確かめてみれば、どんな神様がいて、どのような物語が生まれ(さらにどんなご利益があるのか、も)たのか、理解が深まるに違いありません。