北欧神話と白雪姫のつながりを閑話休題としてまとめたところで、いよいよ北欧神話、佳境に入ります。
最高神オーディンが知識を求めて巨人族が住むミーミルの泉まで出かけた時、その帰りにはなぜか義兄弟の契まで結んで、オーディンと一緒に神々の住むアースガルドまで行った巨人族のロキ。
最初は神々の下僕のごとく、さまざまな押し付けられた仕事をさばく手腕と頭脳が認められて神々と親交を深めていきます。
北欧神話最強の神と言われるトールと連れ立って巨人族のヨトゥンヘイムへ冒険に行ったりもし、さらにトールが窮地に立った時、輝点を聞かせて助けたりもしています。
そのロキがなぜ、神々と巨人族の最終戦争の引き金になるほどの存在となったのでしょう?
この辺りから北欧神話の本筋の面白さが出てきます。
巨人族のロキは神々の住むアースガルドでシギュンという女神を娶り、ナリとナルヴィという息子が誕生します(この部分は「スノッリのエッダ」ではなく「古エッダ」が参照となっています)。
この2人の息子には何の問題もなかったのですが、ロキ、妻のシギュンの他に巨人族の女性であるアングルボザにも子供を産ませていたのです。
これが、最初の厄となりました。