北欧神話の体系は詩の教則本から

北欧神話が現在に伝えられる源流となったのは1220年頃、アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンが記した詩の教本「エッダ」で、このなかの「ギュルヴィたぶらかし」が主に現在の北欧神話を形成しています。

ギリシャ神話同様、北欧神話も北ゲルマン系民族による詩の形で口語伝承されたもので、この神話の詩を散文にして解説、若い詩人たちへの指南書としたのですが、それまで口語伝承の詩が文面として残っていなかったことから北欧神話を初めて体系的にまとめたとして高く評価されています。

スノッリの書いた「エッダ」の元になっているのは古ノルド語(13~14世紀の北ゲルマン民族で使われた言語)で作られた北欧神話や英雄伝説の詩ですが、スノッリが「エッダ」を書いた50年後、それらの詩の原型を記した「王の写本」が発見されたことから、この「王の写本」を「古エッダ」や「韻文のエッダ」、スノッリが書いたエッダを「散文のエッダ」とか「スノッリのエッダ」として区別しています。

ギリシャ神話におけるヘシオドスの「テオゴニア(神統記)」的役割ですね。

もっとも、神統記が書かれたのは紀元前8世紀頃と「エッダ」に比べると2000年近く古いのですけれど。

では、両「エッダ」に書かれた、天地を創造した後の北欧神話に戻りましょう。

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