北欧神話の陰の主役ロキ登場

北欧神話は9つの世界による三層構造、神々と巨人族の対決という図式で成立しています。

最高神となったオーディン率いるアース神族とヴァン神族による小競り合いみたいな戦いもありますが、これは本筋による横糸、味付けみたいなもので大した意味はありません。

また最高神オーディンの冒険譚とかもありますが、複雑に絡んでいるにせよ、これも横糸でしょう。

北欧神話は誕生と同時に滅亡が描かれている、世界でも珍しい神話なのです。

その滅亡とは人間が住むミッドガルドの外に作られたヨトゥンヘイムに住む巨人族が神々を襲うというもの。

オーディンは1組の夫婦の巨人以外を溺死によって絶滅しましたが、やはり元を正せば母方の血族である巨人族を絶やしてはいけないと思ったことが仇となりました。

巨人族はヨトゥンヘイムで絶滅前の数まで一気に増えます。

そして、その巨人族から神々と巨人族の最終戦争、ラグナロクの導火線となるロキが誕生します。

ロキはオーディンの義兄弟となって(この辺は後述)、アース神族ともにアースガルドに住み、神々と親交を持ちながらも最終的には神々を裏切って最終戦争に巻き込む、いわばトリックスターの性格を持っています。

いってみれば、北欧神話の縦糸はロキによって編まれているといっても過言ではありません。

関連記事(一部広告含む):