「ヘラクレスの選択」とは、安全な道と苦難の道のふたつの道があった時に苦難の道を選ぶこと、と簡単に解釈されていますが、実際はもう少し複雑で、安全な道の果てには刹那的快楽しかなく、苦難の道の果てには美徳があります。
このどちらを選ぶのか、というのが「ヘラクレスの選択」です。
ギガントマキアで功績を上げたヘラクレスは本来、アルゴス(都市の名前)の王になるはずでしたが、ゼウスの正妻ヘラによって狂気を吹きこまれ、ヘラクレスは自分の子どもを火の中に放り込んで殺してしまいます。
ちょっと端折りましたが、やがて正気に戻ったヘラクレスは自分の行いを悔いて神託を授けるゼウスの息子、予言の神であるアポロンの元に行きます。
アポロンからの神託はミュケーナイ王エウリュステウスに仕え、10の勤めを果たせ、というもの。
かくしてヘラクレスは自分に苦行を与えるべく、エウリュステウスの命令を果たします。
アトラスと出会ったヘスペリデスの園から黄金の林檎を持って帰ることも10の勤めのひとつだったわけです。
…たしか、アトラスの章では12の難業、と書かれていたはずだけれど?と指摘する人、鋭いです。
じつはヘラクレス、10の勤めのうち、2つほどペナルティを行ったためにその分が積み重ねられてしまったわけですね。
苦行を選んでいるつもりですが、そこは半神半人、やっぱり人間の甘さも持ちあわせていたようです。
To be continued.