人間社会で銀の時代の次に訪れるのが青銅の時代。
もちろんゼウスの支配下にあります。
人間はトネリコの木から誕生し、鍛冶を覚えて青銅を材料に武器や道具、家具などを作った、とあるので、プロメテウスが人間に火を教えたのはこの時代ということになります。
青銅の時代の人間は猛々しく傲慢で、穀物を一切口にせず農業用の牛を殺して肉食を始めました。
ゼウス、神々の王なのに、なぜか作り出す人間には悩まされます。
そこで人間に姿を変えて人間社会へ抜き打ち調査に出かけますが、この時、ゼウスが遭遇したのは悪行三昧を繰り広げるリュカオンの息子たち。
貧しい旅人のふりをしたゼウスにリュカオンの息子たちは臓物入りのスープを差し出しますが、その臓物のなかには息子たちの兄弟の1人の腸が混ぜてありました。
もちろんゼウスには全てお見通し。
怒ったゼウスはリュカオンの息子たちを狼の姿に変え、人間社会に嫌気がさして大洪水を引き起こします。
これがデウカリオンの洪水で、青銅の時代の人間はプロメテウスの息子デウカリオンとその妻ピュラを残してすべて絶滅します。
ノアの方舟とも似ていますが、これは紀元前3000年頃のメソポタミアで起きた実際の大洪水の記録とも言われており、ギルガメシュ叙事詩や聖書を始め、ヨーロッパやアフリカ大陸の神話には必ず出てくる大災害です。
To be continued.