半神半人ヘラクレスの活躍によってギガンテスとの戦い、ギガントマキアに勝利したオリュンポスの神々ですが、大地の神でありゼウスの祖母であるガイアに取って、この戦いは前哨戦にしか過ぎませんでした。
ガイアはゼウスを倒すために捨て身の作戦に出ます。
なんと奈落の神タルタロスと交わり、最強の異形、デュポンを産み落とします。
腰から上は人型、腿から下は毒蛇がとぐろを巻いている姿で、肩からは百の蛇の頭が生え、炎を放つ目を持ち、背中には鳥の翼があるといういでたち。
大きさは頭が天に届き、両手を広げれば世界の東西に到達するほどです。
さすがにこの姿を見たオリュンポスの神々も恐れおののきます。
神々は動物に姿を変えてオリュンポスから逃げ出しますが、なかでも牧畜の神パンは元来、下半身が四足の獣の姿をしていましたが、あまりの恐ろしさから上半身が山羊、下半身が魚になるという慌てぶりを見せます。
ちなみにこの時のパンの慌てぶりがパニックの語源になったといわれています。
他の神々が逃走しようと、神々の王であるゼウスまで逃げ出すわけにはいきません。
ゼウスの最終兵器、雷霆(らいてい:激しい雷のことですね)とアダマスの大鎌(この世でもっとも固い金属を表す言葉:クロノスがウラノスの男性器を切り落とした大鎌をゼウスが取り上げたのでしょう)を使い、デュポンと壮絶な戦いを繰り広げます。
そしてゼウスはついにデュポンをシリアのカシオス山まで追い詰めますが…。
To be continued.
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