妻を次々に変えて社会秩序や文化の女神たちを子孫に残したゼウス。
これ、考えてみれば日本神話における大国主神と同じで、大国主も須世理毘売命と大恋愛していながら、その後、八上売命や多紀理毘売命などと婚姻を繰り返し、古事記によれば180柱、日本書紀においては181柱の神様を産ませていますし、さらに出雲風土記に至っては他にも妻神が何人もいた、とされています。
やはり神様、東西を問わず子孫繁栄のために頑張っていたんですね。
それはともかく、妻を次々に変えて子孫を残しているゼウスを苦々しく思っている神がいました。
そう、自分が産んだ可愛い息子、クロノスやタイタン一族が奈落のタルタロスに幽閉されている大地の神、ガイアです。
いつまで経っても子作りばかりしている孫のゼウスに業を煮やし、ついにガイアはゼウス襲撃作戦を決行します。
ゼウスのいるオリュンポス山を襲撃するのは巨人族ギガンテス。
愚行の王にしてガイアの最初の夫、ウラノスが息子クロノスによって男性器を切り落とされた際、撒き散らした血をガイアが受胎して産み落としたのが、このギガンテスです。
その異形と凶暴性からクロノスはギガンテスを奈落タルタロスに幽閉しますが、ゼウスはクロノスとの戦い、ティタノマキアで勝利するためにヘカトンケイルたちと同時に助け出していました。
いわば、母の願いによって反旗を翻したわけです。
考えてみれば、義理と人情を測りにかければ義理が重たい男の世界、を選んだ昔のヤクザみたいな存在です。
かくして、平和なオリュンポスは再び、ギガントマキアという巨人族対神々の戦いが始まるのです…。
To be continued.