最愛の妻であり、知恵の神メティスを丸呑みしてメティスが身篭っていた娘、アテナを頭から産んだゼウスはその後、結婚を繰り返して子孫繁栄に努めます。
最愛の妻が体内にいるというのに、なんて浮気者なの!と眦(まなじり)を吊り上げるのはもう少し事情を知ってからにしましょう。
神々の王であり、天空を支配するゼウスは世の中の統治を行わなければなりません。
そこで子孫を増やし、その子孫に秩序の役目を与えたのです。
知恵の女神メティスの次に結婚したのは法と正義の女神であり、予言と英知の神であるプロメテウスの母であるテミス。
最初にすべての運命を司る女神、クロト、ラケシス、アトロポスの3姉妹女神を産みます。
続いて秩序と正義と平和を司るエウノミア、ディケ、エイレネ三姉妹女神を産み、さらに季節と司るエアル、テロス、プティノポロン、ケイモンの4姉妹ポーラを産みます。
運命、秩序、季節を作り出した後は平和な社会に必要な美、農耕、詩などの女神を次々と娶った女神たちに産ませますが、ちょっと長いので割愛しますね。
このように、ただ情欲にまみれて妻を次々に変えていったわけではないのです。
子孫の能力に合わせて妻を変えていったわけですね。
To be continued.