知恵の神メティスを妻に娶って幸せな毎日を送る神々の王ゼウスですが、やはり意地悪ばあさんガイアの言葉が気になります。
祖母とはいえ、カオスから生まれた原初の神には違いありませんし、まだまだ神々を生み出す力も持っています。
しかも祖父ウラノス、父クロノスは預言者こそ違っても、自分の子どもたちによって失脚しており、その血統を受け継ぐゼウスとしては、一笑に付すこともできません。
かといって美しい妻、メティスとの交わりを断つこともできませんし、子どもをいっぱい作って子孫繁栄も実現したいところ。
そこでゼウス、思い切った決断をします。
メティスを丸呑みにしてメティスと一心同体になることにしました。
生まれてきた子どもならともかく、妻である知恵の神メティスをどうやって丸呑みしたか、などと聞かれても困りますが、メティスは大洋神オケアノスの娘なので、水に変身することぐらいは簡単なことでしょう。
策略家ゼウスが言葉巧みにメティスを水に変え、それを飲み込んだという説もあります。
しかし相手は知恵の神。
きっとゼウスの企みぐらい、察知していたのかもしれません。
神々の王として長く存続するためには意地悪ばあさんガイアの予言を実現させないこと、と判断、自らゼウスに飲まれ、一心同体の道を選んだとも解釈できます。
これもまた、神々の夫婦愛の形でしょうか。
To be continued.