神々の王であり、自分の父親だったクロノスと、クロノスに加勢したタイタン一族を奈落のタルタロスに幽閉したゼウスはクロノスに代わって神々の王となりましたが、ゼウスは父クロノス、さらに祖父ウラノスの愚行を知っているのでそれらを反面教師とし、世界を独占することなく海の世界は兄神であるポセイドンに、地下世界を同じく兄神であるハデスに譲り、自分は天界を支配します。
50の頭を持ち100の手を使ってクロノス一党を相手に一騎当千の活躍を見せた異形のヘカトンケイルたちは幽閉したクロノス一党の監視役を命じられ、再びタルタロスに戻りますが、今度は幽閉ではなく門番なので命令に背くことなく誇りを胸に秘めて地下へ向かいます。
この辺りがゼウスの巧妙なところ。
なにしろ戦いに関しては一騎当千ですが、その異形は天界にふさわしくなく、また暴れれば天界を壊しかねない力の持ち主であるヘカトンケイルです。
タルタロスの門番という重要な役割を与えることによってヘカトンケイルたちの名誉を守りつつも、天界には置いておかないという妙案を考えだしたのですから。
しかし、政治手腕に長けたゼウスにも盲点がありました。
カオスから生まれた大地の神、祖父ウラノスの妻でありクロノスの母にして、ゼウスの祖母である、ガイアの存在です。
To be continued.