愚行を繰り返したウラノスを討ち、新しく神々の王となったクロノスは母ガイアが産んだタイタン12神の1柱、樹木と野獣の神であるレアを妻に娶ります。
大地の神ガイア、農耕の神クロノス、そして樹木と野獣の神レア、この3柱が支配する世界は肥沃な大地と生産力に恵まれた至福の楽園でしたが、3柱はけっして幸福とはいえませんでした。
その原因は父ウラノスの「お前もやがて子供に王位を奪われるだろう」という言葉に怯えるクロノスの、父以上の愚行。
クロノスはレアとの間に生まれる子供を恐れ、ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンを次々に頭から丸呑みしていったのです。
そんなに子供が怖けりゃ交わらなければいいのに、とは凡人の思うところ。
なにしろクロノス、レアと共寝したいので今晩も交わり、そしてレアはまたも身ごもります。
今度の子供もクロノスに丸呑みされることは明白なので、レアは母ガイアに相談します。
すでに母ガイアは息子クロノスの蛮行にあきれ果てており、レアに知恵を授けます。
「あなたはクレタ島に行ってその子を産みなさい。私は石を襁褓(むつき:赤子を包むおしめのこと)に包んでクロノスを騙しますから」
この母ガイアの策略は成功し、クロノスは石を新しい子と勘違いして丸呑みし、レアはクレタ島で無事、出産します。
そして、この子供が後の全能の神、ゼウスです。
To be continued.