円卓の騎士による聖杯探索

ランスロットがエレインとの息子、ガラハッドと共にアーサー王の元に戻ってからの話は聖杯探索になるのですが、じつは聖杯探索、アーサー王物語においてキリスト教プロパガンダの色が濃く、冒険譚としては面白いのですが結末がなんとも宗教っぽくていけません。

なにせ、円卓にいきなり聖杯が現れたと思ったら姿を消し、その聖杯を探すことが我々騎士団の務め、なんて円卓の騎士の1人であり、アーサー王の甥の1人、ガウェインが言い出してしまうのですから。

しかもペレス王が聞いた「エレインとランスロットの息子、ガラハッドが聖杯探索を成し得るだろう」という予言もあり、結末は予定調和みたいなものです。

案の定、円卓の騎士は聖杯に近づきますが、やれ性格が曲がっているからダメだの、欲望が強いからダメだの、いかにもキリスト教的排除理由を突きつけられて聖杯を見つけることができません。

ランスロットでさえ、不義密通を直ちに止めない限り聖杯を見つけることはできない、なんて宣言されるのですから。

しかも聖杯を見つけたガラハッド、その喜びのあまり恍惚として神々に召されてしまう、というのが結末。

いかにもキリスト教賛美のような物語です。

ちなみに聖杯とはキリストが最後の晩餐の時に使った杯とかキリストが十字架に磔になった時、その流れる血を受け止めた杯とか言われています。

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