湖の乙女はアーサー王とエクスカリバーのシーン以外にも少しですが重要な役割を担って登場してきます。
それはのちに円卓の騎士となるランスロットを18歳まで育てるという役。
アーサー王伝説におけるトリックスターといえるのがランスロットでしょう。
ベンウィックというフランスの領主だった父、バン王は即位したばかりのアーサー王を援助するためにブリテン島に遠征しますが、その隙に領土を奪われ戦死、妃のエレインは赤子だったランスロットを抱えて逃亡し、湖の畔で休んでいるところを湖の乙女がランスロットをさらってしまいます。
その後、18歳になるまで湖の乙女に育てられたことから、ランスロットには別名「湖のランスロ」というニックネームがつけられました。
ブリテン島全土を統一させ、ログレスの都キャメロットに宮廷を設けたアーサー王は美しいグィネヴィアを王妃に迎え、順風満帆の日々。
グィネヴィアの嫁入り道具となった円卓には13人が座れる広さを持っており、ここに自分の配下である騎士を招いて祝宴を開きます。
この円卓に招かれた騎士がのちに円卓の騎士と呼ばれるようになり、超イケメンで武勲に優れたランスロットはやがて円卓の騎士の中でも1、2を争うほどアーサー王の家臣となっていきます。
それだけ誉れ高くイケメンならば、宮廷の女性が放っておくはずがありません。
そして、それが厄の元になってしまいます。