エクスカリバー登場

アーサー王が引きぬいた剣はさまざまな名称で呼ばれています。

「ブリタニア列王史」ではカリブルヌス、940人のサクソン人を倒したという「ブリトン人の歴史」ではカリバーン、そしてマロリー著「アーサー王の死」ではエクスカリバーとなりました。

まあ、アーサー王物語はケルト語に始まり、ラテン語や英語、フランス語それぞれで物語が作られているので呼び名が変わるのは当たり前の話、ギョームがウィリアムになるようなものですから、日本人としてはあまり名称に突っ込む必要はないでしょう。

ただし、物語によってエクスカリバーは石から引き抜いた剣なのか、それ以外なのか、という問題が発生しています。

この混乱を発生させたのが「アーサー王の死」を書いたマロリー。

石から引き抜いた剣はその後、アーサーが王になることを良く思わない諸公との戦いで折れてしまいますが、それを見た魔法使いマーリンがアーサーを湖まで連れていくと、湖から3姉妹の乙女が表れ、剣を差し出します。

それがエクスカリバーである、というのが「アーサー王の死」の解釈。

エクスカリバーを湖の乙女から受け取る、というのは最後の伏線になっていることから、今では引きぬいた剣とエクスカリバーは別物である、という説が有力になっています。

いずれにしろフィクションなので、折れた剣を湖の乙女が直したって説が成立すれば同一でも構わないと思うのですが。

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