ストレッサーやプレッシャーの耐性を強くすると、確かにストレスの発生を押さえることができます。
しかし、ストレッサーやプレッシャーの耐性はある程度、経験値によって強めることはできますが、ストレスそのもの、つまり身体的反応は自律神経系によって発生するので鍛えることはできません。
自律神経系はストレスが発生すると危機的状況に対して身体を適応させるため、闘争するか逃走するか、という選択肢を迫りますが、その際、身体を緊張させるためにアドレナリンを分泌させるだけでなく、筋肉が素早く動けるように酸素を送り、身体の温度を上げます。
つまり血圧を上げ、発汗作用を促すわけですね。
スポーツ選手、とくに相撲やボクシングの選手が試合中に大量の汗をかくのは運動量だけでなく、この緊張による自律神経系の働きがあるからなのです。
この自律神経系の働きはあくまで緊急の際の措置なので、頻繁に緊急事態を感じていると自律神経系が過敏になり、わずかの危機的状況と感じた際でも過剰な働きをするようになってしまいます。
これがストレスによる、いわゆる自律神経失調症と呼ばれる症状です。
ストレスそのものの耐性を鍛えることはできませんが、自律神経系をできるだけ、つねに正常な状態にしておくことはストレスの予防策につながります。
これがストレスと上手く付き合う十ヶ条の8番目、できるだけ自律神経系を正常に保つ!です。