ストレス、それを引き起こすストレッサー、さらに行動体系を自分の意思で決定させるためのプレッシャーと3つの要素を整理すれば、ストレスとうまく付き合う方法、ストレスを解消するための方法の基本的原理が見えてきたことでしょう。
ただし、ここで混同しがちなのがストレスを重ねることによる心身の損傷と、プレッシャーと対峙せずに行動を後回しすることによる心身の損傷です。
前者の場合、直接的に心身へ影響が出ます。
もっとも分かりやすいところでは神経性胃炎と俗称される腹部の痛みですね。
過敏性腸症候群、つまり慢性下痢などもこの範疇に入ります。
ストレスがさらに重なると冒頭で記したように自律神経失調症やパニック障害、社会不安障害といった症状を引き起こします。
一方、後者の場合はプレッシャーを一時的に忘れようとして暴飲暴食を行えば胃痛や下痢にもなるので、一見、ストレスと同じ症状ですが、その直接的な原因はあくまで暴飲暴食です。
夜、プレッシャーのことを考えるあまり寝られなくなる、というのもストレスによる不眠症と違い、考えすぎるというのが直接的な原因ですね。
プレッシャーに対する過度な反応はとかく、ストレスと勘違いしやすいのですが、プレッシャーは行動体系を決定づける要因でしかないので、ストレスの解消法とは大きく異なることを認識してください。
もっとも、プレッシャーを回避し続けることが自分の中で二律背反(プレッシャーから逃げていることを許容する自分と責める自分がいること)を生み出し、それがストレスになるという厄介な結果を招くこともありますが。