前項では突発的危機状況になると外敵の攻撃に対してFight or Flight、逃走か闘争か、という本能的行動を起こすためにアドレナリンが分泌されることを説明しました。
とはいえ、現代社会では即物的本能で生きていくことは難しいので、怒りや震え、怯えの原因を作った相手に対し、即物的な闘争や逃走は現実的ではありません。
最近、怒りや怯えを感じると直接的行動に出る人が増えてきましたが、こういった人たちほど動物的本能に近い行動体系を持っている可能性が高いといえるでしょう。
直接的行動を起こさないのはさまざまな理由があるからで、その理由のために直接行動を我慢するわけですね。
これを一般的には理性という言葉で一括りにしてしまいますが、この我慢が身体的反応、つまりストレスの芽になるのです。
つまり怒りや怯えの原因がストレスではなく(分かりやすく言うならば上司に怒られたとか誰かと喧嘩した、とか)、その感情を処理できないことがストレスになるということです。
したがって怒りや怯えから起きたストレスを我慢するのは理性的ではありますが、我慢したことによって弊害が起きるのであればそれはけっして美徳などと褒められるものではなく、自分自身を押し殺しているだけに過ぎないのです。
問題はストレスをいかにして解消し、身体的なバランスを取るか、ですね。