前項では生命の恒常性、ホメオスタシスを保つために自律神経系が喉が乾いた、というストレスを発散させる話をしました。
このストレスがなければ体内からどれだけ水分が失われているか本人は分からず、やがて恒常性が失われて生命維持の機能が働かなくなり、死んでしまいます。
お腹が減った、とか眠い、という身体的反応も基本的には恒常性を保つためのストレスであり、これらストレスがなければ水分と同じように生命を維持していくことはできません。
つまりストレスのもっとも根源的な部分には生命の維持があり、生きていくためには必要不可欠な身体的反応でもあるのです。
随意の自律神経系によるストレスではなく、人間関係や仕事関係によるストレスは生命維持と関わらないのでは?と考える人もいるでしょう。
しかし、ストレスを起こす人間関係や仕事関係が本当にストレッサーであれば、それは生命維持と深い関係にあるからこそ自律神経系による防御作用が働くのです。
人間関係にしても仕事関係にしても、いきなりストレスを感じることはありませんね。
それらがストレッサーとなる時は必ず何かの事象がトリガーとなり、身体的変化を引き起こします。
ストレスはそこから始まるのです。
事項ではストレスの始まる仕組みについて説明しましょう。