Categories: おまじない伝説

おまじないはいいことばかりじゃない

これまでのおまじない、どれも幸運を呼びこむ儀式ばかりでしたが、じつはその半面、人を呪うおまじないも幸運を呼びこむ儀式と同じ数だけ存在しています。

前述したブードゥー教は黒人の民間信仰として広まりましたが、白人キリスト教信者によって死者を蘇らせるゾンビだとか黒魔術といったダークなイメージを植え付けられてしまいましたが、どの宗教も似たようなダークサイドを持っており、ブードゥー教で有名な呪いの藁人形も、日本には同じような呪術の丑の刻参りがあります。

丑の刻とは午前一時から午前三時頃までの間、いわゆる草木も眠る丑三つ時ですね。

この時刻に白装束を纒い、憎い相手に見立てた藁人形を神社のご神木へ五寸釘で打ち付け、これを七日間続けると満願成就となって相手が死ぬ、というお呪い。

有名なところでは嫉妬する女性が丑の刻参りする姿で、これは鳥山石燕が「今昔画図続百鬼」に描いたことから広まっています。

この丑の刻参りを誰かに見られると願い事が失効してしまうため、これを見られると「み~た~な~!」と白装束にロウソクを突き立てた鉄輪をかぶる女性が目を血走らせて襲ってくるわけですね。

この丑の刻参り、ゆかりの芭蕉は京都の貴船神社ですが、貴船神社は縁結びの神様としても有名な神社。

縁も結べば嫉妬も成就させる。

神様、なんと心広いお方なんでしょう。

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