おまじないは立証論。
子供の頃、転んで膝小僧を擦りむいた時やタンスの角に小指をぶっつけて声も出ないほど痛い時、よく母親が「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの、飛んでけ~」とおまじないをかけてくれました。
もちろん母親は擦りむいた傷にマキロンを塗ってくれたり小指をマッサージしてくれたりして痛みを軽減してくれていたのですけれど、子供にしてみれば母親のおまじないが効いた、と思えるほど効果絶大なものがありました。
果たして、おまじないは本当に効果があるのでしょうか?
結論から言えば、おまじないは効果があるのです。
その理由は、おまじないは確率論ではなく立証論だから、です。
このおまじないを行って、何人中何人が効果を認めたのでおまじないは効果がある、のではなく、100人のうち99人におまじないの効果がなくても、たった1人に効果があったら次の1000人が必ず、そのおまじないを行うものです。
「私はこれを飲んで体重20kg痩せました(効能を示すものではなく個人の感想です)」みたいな通信販売のダイエット商品みたいなものですね。
たった1人でもおまじないの効果があったならば、私がそれを行えば2人目になれる、と信じ切れる欲深なのが人間の心理というもの。
だからこそおまじないは人間の歴史と深く関わりを持ち、衰えることのない人気を保っているのでしょう。