おまじないと呪いは似て非なるものです。
おまじないは漢字で書くと『御呪い』と書きます。
つまり、『のろい』と『まじない』は漢字で書くと同じ『呪い』なのです。
どちらも見えない力が我々に影響を及ぼします。
しかし、その二つは影響を与える方向が違います。
呪いは、憎悪を抱く相手に災いが降りかかるようにします。
『呪いのわら人形』などが有名でしょう。
憎い相手をわら人形に見立てて、釘を打つ。
その憎しみの念が、相手に襲い掛かっていきます。
反対に御呪いは、悪いことを除けたり、良いことが起きるように行うものです。
まじないは、元々は呪術や祈祷、お祓いなど広い意味で使用されていました。
御呪いも元来はそのような意味を持つのですが、『御』をつけることで、呪いとは区別され、良いものに思われているようです。
海外ではそのようには区別されていなく、良い御呪いも悪い御呪いもあるようです。
人に呪いをかける黒魔術は、日本で言えば呪いの一つでしょう。
人は誰でも合わない人もいれば、嫌いな人もいるでしょう。
嫌なことをされれば憎くもなり、呪いたくなるかもしれません。
しかし、呪いは自分にも跳ね返ってきます。
悪い念は悪いことを呼び、その連鎖で自分のところに帰ってきてしまうのです。
『人を呪わば穴二つ』ということわざがあります。
これは人に害を与えようとすれば、自分も害を受ける、という意味です。
呪うことは悪い連鎖しか生みません。
それならば、御呪いで良い方向に持っていった方が良くないでしょうか。
憎しみに囚われずに、前を向いて進むのです。
御呪いは、そんな気持ちに力を貸してくれるはずです。