前項では、セイブツ学的見地から、できるだけ遺伝子を多く残したいオスの播種本能と妊娠した遺伝子を野生に送り出すことで母性本能を満足させるメスとの違いによって生まれる生殖行為のアンバランスについて説明しました。
では、どのようなアンバランスが生まれるか、この項で説明しますね。
大型動物は往々にしてメスの集団社会が形成されます。
たとえばクジラ。
小さな子供が生まれると、メスが集団で子供を守るように回遊します。
この集団は大変、危険なので見つけた場合は近寄ってはいけません(どうやって近寄る!なんてツッコミは入れないように)。
なぜ集団で回遊するかというと、オスが子供を傷つけてしまうからです。
「あんな愛らしいクジラがそんなことをするなんて!」
とグリーンピースもどきの連中から言われそうですが、これは本当のこと。
なぜ子殺しを行うかというと、子供を持つメスは発情しないけれど、子供がいなくなれば発情するから、つまりオスと生殖行為を行うからなのです。
これはクジラだけでなく、クマや他の大型動物でも見られる行為です。
最近は人間の親も、子育てが大変、とか、自分が遊びたいから、と言って痛ましい事件を目にしますが、こういった人たちは悲しいことに動物的本能が目覚めてしまったわけです。
つまりセイブツ学的見地の播種本能と母性本能はそのままシャカイ学見地に当てはめることはできない、ということですね。