京都から場所は一転して神奈川県の江ノ島に行きましょう。
この江ノ島には弁財天を御祭神とする江島神社があります。
弁財天、元を辿るとヒンドゥー教の女神、サラスヴァティーで仏教の守護神ですね。
それが大黒と共に日本の七福神信仰に取り入れられ、弁天様とか弁財天になり、財宝の神様と崇められたことから江戸時代、江戸から近い距離にあったため、江ノ島詣が盛んに行われた経緯があります。
これ、まったく縁結びに関係ありませんよね。
大黒が大国主と同一視されたように、弁財天も市杵嶋姫命(イチキシマヒメ)と同一視されています。
市杵嶋姫命は建速須佐之男命と天照大神の間で交わされた誓約(これを話すと長くなるのでそういうものだと思ってください)によって誕生した宗像三女神の1柱で、江島神社にはこの宗像三女神が祀られており、そのうちの市杵嶋姫命だけが弁財天になっているという、これまた仏教神道混合のややこしい関係になっています。
そういえば江島神社って、日本の伝統的な神社よりもどことなく無国籍オリエンタルな雰囲気がありますよね。
で、ここまで縁結びがまったく出てきません。
なぜ縁結びのパワースポットになったかというと1996年に「龍恋の鐘」なるものが誕生、これを2人で鳴らせば恋愛成就につながるという、いかにも縁結び神社で人を寄せようという演出効果に因るものです。
江島神社にカップルで訪れると弁天様が嫉妬して別れさせられる、なんていう俗説は遠い昔の話になりました。
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