京都の貴船神社は本来、水を司る神社ですが、中宮に磐長姫命が祀られていることから縁結びのパワースポットになりました。
その磐長姫命、妹の木花咲耶姫と共に瓊瓊杵尊へ差し出されましたが、なんとこの男、磐長姫命がブスだから、という理由だけで父親、大山津見神に送り返されてしまいます。
ヒドイ男ですね。
2柱の娘を差し出す父親も父親だ、という声が聞こえそうですが、大山津見神には2柱の娘を差し出す理由がありました。
「私が二人の娘を一緒にさし上げたのは磐長姫命を妻にすれば瓊瓊杵尊の命は岩のように(磐の字が岩の意味ですね)永遠のものとなり、木花咲耶姫を妻にすれば樹の花が咲くように繁栄するだろうと誓約を立てたからだ、木花咲耶姫だけを妻にすれば瓊瓊杵尊の命は樹の花のようにはかなくなるだろう」と告げます。
そして木花咲耶姫の息子、火遠理命の孫が初代天皇の神武天皇となり、大山津見神が告げたように、天皇の命は神々の命ほど永くなくなった、と残されています。
神々から人間に変わる重大な節目でもありますが、一方、父親の元に返された磐長姫命は自分の身を恥じて「私は永くここにとどまり、縁結びの神として世のため人のため良縁を与えます」と決意、ここから貴船神社が縁結びに強いご利益があると言われるようになりました。
でも、磐長姫命は健気ですが、男から追い返された女性神が縁結びの神様って、なんか微妙ですよね…。