埼玉県川越市にある川越氷川神社も縁結びを全面に押し出している神社ですが、気多大社に比べると、かなり神社寄りのしっとりとした雰囲気に包まれています(気多大社も神社的行事はしっかりこなしていますけれど、やはりやることが派手ですよね)。
川越氷川神社に祀られている神様は大己貴命(オオムラノミコト:大国主のことですね)だけでなく、その義理父にあたる素盞鳴尊(スサノオノミコト:こういう漢字も当てられています)、妻の奇稲田姫命(クシイナダノミコト)、奇稲田姫命の両親である脚摩乳命(アシナヅチノミコト)と手摩乳命(テナヅチノミコト)の五柱で、大国主以外はすべて夫婦神となっていることから縁結びの神社として知られるようになりました。
つまり、ここでは大国主は主役ではなく脇役。
奇稲田姫命と聞いても分かる人は少ないでしょうけれど、ヤマタノオロチの生贄となった最後の娘、と聞けば「あー、なるほど」と思うでしょう。
脚摩乳命と手摩乳命には8人の娘がいましたが、すでに7人がヤマタノオロチの生贄になってしまい、最後の娘、奇稲田姫命も生贄の寸前でした。
そこに登場するのが高天原を追い出された暴れん坊神、素盞鳴尊。
出雲の地に降り立った素盞鳴尊は生贄にされる奇稲田姫命に一目惚れし…と、ここでまたまた誌面が尽きましたので、続きは次回に。