出雲大社に祀られている大国主こと大穴牟遅神、いくら嫉妬に狂った八十神に追われているからといって八神上売がいるのに須勢理毘売と恋仲になるなんてヒドイ!と思う女性(だけでなく男性も)がいるでしょう。
でも神話の世界ですから。
それに大穴牟遅神、2度も殺されているし、とにかく神様、多くの子孫を残さないといけない理由もあるんだから許してくださいね。
…現代社会の常識から考えるとあまり許してくれそうにもありませんが。
とにかくモテモテの大国主こと大穴牟遅神ですが、けっしてイケメンではありませんでした。
世の男性諸君、喜んでください。
なにしろ一目惚れした須勢理毘売が父親の建速須佐之男命に紹介すると、建速須佐之男命は「ただの醜男ではないか。葦原色許男神(アシハラシコヲ)と名乗れ」と一刀両断に切り捨て、その後、建速須佐之男命は大国主と命名するまで、ずっと葦原色許男神と呼んでいました。
もちろん父親が娘と恋仲になる男を褒める例は数少ないのですが、それでもシコヲはあんまりです。
それでも建速須佐之男命の無茶ぶりを乗り越えていくサマを見て娘の婿に相応しい男と判断するわけですから、男としての魅力を十分に持っていたことになるでしょう。
男の魅力が容姿ではなく、知恵と勇気と実行力であることを教えてくれる訓話ですね。
それがあれば女性からもモテるし女性の父親もなんとか説得できる、でしょう。