出雲大社に祀られているのは大国主という神様。
大国主、というと分からない人が多いでしょうけれど、「稲葉の白兎」に出てきて、ワニに皮を裂かれたウサギを助けた神様、といえばほとんどの人がピンとくるでしょう。
じつはこの「稲葉の白兎」、子供の頃の教科書に載っていたエピソードはショートストーリーだけを抜粋したもので、本編はもっと長いのです。
先代旧事本記という日本神話に書かれた一節「大国主の国づくり」に出てくる物語で、大国主がまだ大穴牟遅神(オオムナヂノカミ)と名乗っていた頃の話。
大穴牟遅神には八十の神の兄弟(ヤソガミ)がいて、それぞれ因幡の八神上売(ヤガミヒメ)に求婚したいがため、国を大穴牟遅神に譲ってしまいます。
八十神は大穴牟遅神に大きな袋を持たせ、従者のように引き連れて稲葉に出かけました。
気多というところに来た時、身体中の皮が裂け、痛み苦しんでいるウサギを大穴牟遅神が見つけます。
ここからは童話「稲葉の白兎」のストーリーのままですが、童話では毛をむしられたウサギへ親切そうに「海水に浸かって太陽の陽を浴びなさい」と諭す神様が誰だか説明がありません。
じつはこの親切そうな悪役が、八神上売へ求婚しようとしている八十神だったんですね。
ここからが「稲葉の白兎」の面白いところ・・・おっと、文字数が足りなくなってしまったので続きは次回に。