スペースができれば集中している機能を分散することができますが、その前になぜ行動機能密集ゾーンができたのか、その理由を考えてください。
多くの場合は行動を密集させてしまう誘因材料あるはずです。
もっとも分かりやすいのはTV。
リビングでもワンルームでもTVを中心に動線が扇型に開いていたら、明らかに行動機能密集ゾーンの誘因材料ですね。
TVの前に置かれているテーブルとソファがあれば、食事だけでなく女性ならば朝の化粧まで済ませてしまう場合もあるでしょう。
TVは自分から行動を起こさなくても情報を流してくれます。
いわば受動的媒体ですね。
興味を持っていない内容の番組でも、日常の行動をしながら情報を仕入れることができるので、つい、TVの前でいろいろな行動を済ませてしまいがち。
TVの前に行動を密集させると、その行動のために必要なものを集めてしまいます。
これはムダな動線が増えるばかりでなく、TV周辺にデッドスペースを発生させる原因にもなりますね。
もしライフスタイルの中心がTVであると確信するなら、むしろ徹底してTVを中心にしたデザインにしましょう。
毎日の仕事が忙しく、家にいる時間が少ないのでわずかな時間でもTVの前でのんびりして過ごしたい、というのも立派なライフスタイルです。
そのために部屋の機能をTV周辺に集中させてしまうことで、逆に導線のムダがなくなります。
TV前のテーブルをさまざまな機能に対応できる大きさに変え、化粧道具や鏡などを収納するケースをテーブル下に置くなど工夫すれば、TVを中心にしたデザインになりますね。