ただ、単に掃除をしてものを片づけても、すぐに散らかってしまう。
そこに快適さのデザインがありません。
快適な部屋というのは機能的でなければならないのです。
忙しい時こそ、機能的であれば必要なものをすぐに取り出せ、よけいなものをしまうスペースを身近に用意しておけば効率のいい行動ができ、散らかる心配もないわけです。
これは部屋に限ったことではありません。
すべてのデザインは人が行動することに対して快適であることが前提なのです。
クルマ、家電製品、洋服や小物にいたるまで、デザインの基本は使った人が気持ちいいと感じること。
その上にセンスが加わるのです。
たとえば洋服。
いくら自分のセンスにぴったり合った形や色をしていても、生地の質が粗末で着心地が悪い、あるいは仕立てがいい加減だったら長く着たいという愛着は湧きませんね。
たとえばクルマ。スポーツカーのスタイルをしていても、加速度が悪かったりブレーキ性能が粗末だと乗る気が失せてきますね。
これを部屋に当てはめてみましょう。
自分好みの装飾が施されていたとしても、そこに快適さがなければセンスだけのデザインされていない部屋ということになってしまいます。
本当に快適な時間を部屋の中で過ごすためには、まず部屋をデザインすることから始めましょう。