聖なるイメージと結びついてきた、“形”としてのシンボルなどもあります。それは主に、多角形といわれるような、いろいろな形にも見ることができます。こちらは「音」ではなく「図形」ですが、これなども宇宙の「巨視的構造」と絡めて考えると面白いことがわかります。
すなわち、昔からヒトは「五角形」「六角形」の図形を、神秘的・超越的なものとして、あるいは防御の形として、好んで用いてきました。星型や五芒星、六芒星も同様です。それらはいまでも、幾つかの国の国旗の中にも見ることができます。お守り(護符)としても、もっとも有名な形です。
アメリカの国防総省「ペンタゴン」などは、それこそ五角形の形状に造られていますが、それも「最大の防御力」にあやかっているからです。ご存知のように、「ペンタゴン」の意味も、英語で「五角形」のことです。
このように昔から、これらの図形は、呪術や魔法、東洋でも風水などで頻繁に使われてきたのですが、これも宇宙の「巨視的構造」が蜂の巣構造的、つまり五角形や六角形がほうぼうに散りばめられているような姿であることと無関係ではないのかもしれません。
「ヒトは星の子」といわれるように、そこから生まれたものなので、いまでも心の深いところではその「形」と共振することができる、などと考えてみるのも面白いでしょう。
だから、ヒトは瞑想する存在なのかもしれません。心の中に、自己の出自である宇宙を見出すことで、最大の安らぎを得ようとしている、といったところでしょうか。