最近、宇宙の巨視的構造が電波的観測によって明らかにされました。最新の宇宙論によると、宇宙は銀河の密集する部分と、それがない空虚な部分とが、意外にも均一に並んでいるような姿だったのです。
これは驚きです。銀河群のない空虚な部分が所々に整然と分布している様子は、まるで蜂の巣構造(無数の六角形の空洞が集まったような)にも、あるいは泡のような構造にも見えるのです。
そして、なんと! この構造は、クラードニ図形でみた「ある振動によって出現する砂の模様」にも似ているのです。しかも、「オオオ」と発声した際の、粉体のパターンと、宇宙の巨視的構造(バブル構造)とが似ていることに気がついたのです。
「初めにロゴスがあった」「宇宙はバイブレーション(振動)によってはじまった」
このように前に述べましたが、まさに宇宙は「O」の音で始まったかのようです。それが科学的には「ビッグバン」ということなのでしょう。
そういえば、アーユルヴェーダ(古代インド哲学のなかの医療体系、あるいは生命哲学思想)の説く波動の概念として、「音なき音」という表現があるのですが、これなどもビッグバンのことを意味してはいないでしょうか。ビッグバンは「音のない振動」とも言えるからです。
「オオ…」という音がつくる構造こそは球状、もしくは球形に近い「六角形」なのです。さらにこのことは、古くからインド・ヨーガなどで「宇宙には『オオウム』(AOUM)という聖音が響き渡っており、瞑想の中で人はそれを聞く」のように言われていたことを思い出させます。Oの音は真言でも重要なのです。
宇宙の始まりである、「ビッグバン」という一つの「音なき音」あるいは「振動形態」は、いまもその余韻を宇宙全体に浸透させているのです。その余韻と人間は、心の深いところでつながっているのかもしれません。
それが感覚的に、昔から聖音といわれた「AUM」(アアオウム→オオウム→オウム)という音に聞こえたことから、人はその音を崇めまつり、インドの宗教をはじめ、様々な宗教的儀式の際にも唱えられるようになったのかもしれません。キリスト教の「アーメン」という聖音の由来も、ここから来ているとする説などもあります。
(もっとも今では「オウム」という聖音は汚され、特に日本では憎悪の対象にすらなっている感もありますが…)