古い言語ほど音に力がある!言葉の摩訶不思議学

こんどは「母音」について、少し触れてみようと思います。母音にもそれぞれがもつ性質があります。言語によって、母音もいろいろありますが、「A」の音は広がっていく感じを与え、反対に「U」では閉じていくような感じを与えます。

つまり「U」はすぼまる感じです。「E」も広がりますが、「A」ほどではない感じです。また、「I」は「ビイイイ」と、それこそビーム状にどこまでも伸びていく感じがします。そして、「O」の音では「広大さ」「大らかさ」といった印象をもたせます。つまり、口の開き方とある程度一致しています。気合いを入れる際にも「ヤー」か「オー」です。「イー」や「ウー」では力が入らないからです。

音、すなわちバイブレーションは、一つの力です。そして、音にはいろいろな色(音色)があります。だから、音が違うと、性質や作用も異なり、それがヒトに異なる思い(イメージ)を抱かせるのでしょう。

さらに、さまざまな言語のなかで使われている「文字の形」にも、言語音との間に根強い関係があることが考えられます。つまり、「ある音」のイメージは、人類に普遍的に「ある一つの形」を想起させる可能性ということです。

これも「古い言語音とイメージの関係」同様、古く使われていた「文字」であるほど、そうした傾向にあるといえます。だから新しく造られた文字体系に、こうしたつながりを見出すことは難しいかもしれません。

ちなみに韓国語のハングルも、比較的新しい時代(1463年)に造られた文字であり、しかもハングルは学者たちによって、子音の形を唇や舌の形を模して合理的に作られたことが知られています。そのせいか、ハングルの場合は、その一種独特な文字の形にある種のパワーを感じるという方も多いようです。文字の一つ一つに、当時の学者たちの念が込められているからでしょうか。

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