「LUPIN the Third-峰不二子という女-」には、準キャラクターとして銭形警部の補佐を務めるオスカー警部補が登場します。
貧困の少年時代、橋の上で手に握りしめた1フラン(ユーロではない)を不良たちへ渡さないために、セーヌ川に飛び込んだところを銭形警部に助けられたことから銭形警部を慕って刑事になり、警部補の地位まで上り詰めます。
中性的な容姿で、第六話の「愛の牢獄」では女学院の女生徒に扮装するほどの美貌の持ち主ですが、第三話で銭形警部が峰不二子とエッチしたことから峰不二子を憎悪、「痰壺女!」と罵倒するほどの憎しみを抱き、ついに峰不二子に扮して強盗を働くようにまでなりました。
クライマックス、さらにグラウコス製薬のアルメイダ伯爵に洗脳されてパレードを妨害する破壊工作まで行ってしまいます。その時、事情を察した銭形警部が言う台詞がこれ。
「その小僧に教えられたんだよ、どんなに汚れた手でもけっして手放せないものがある。どんなにちっぽけなものでも、それを手放した瞬間、何を手に入れてもそれは味気ない砂になる。俺は誇りを守り切る者を信じる」
じつはオスカーを助けた時の銭形警部、上司からの命令で汚職に手を染めようとした矢先だったわけです。
もちろん、オスカーはその言葉で目覚め、破壊工作用の爆弾を持ってセーヌ川に飛び込みます。
というわけで、第十一話は「愚か者の祭」は銭形警部とオスカー警部補の物語になっています。