『タバコはあるか?ジタンか。気に入らねえな』
第八話「命日」はルパン三世と次元大介が初めて手を組んだ記念すべき物語です。
ルパン三世に間違えられて捕まってしまった次元大介をルパン三世が助けた時、次元大介が言う台詞ですね。
次元大介が好んで吸う銘柄はアメリカ製のPALL MALL(ポールモール)、ルパン三世が好んで吸う銘柄がフランス製のGitanesだったことから、この台詞が出てきました。
ちなみにポールモールとはアメリカ式発音で、イギリスではこれをペルメルと読みます。
日本特有のゲーム、ゲートボールの原型になったイギリスのクロッケーはペルメルという球技から発展しており、タバコのネーミングはこの古い球技から付けられましたが、さすがアメリカ、同じ英語でも自国発音にしちゃったわけですね。
日本のハードボイルド小説初期の作家、大藪春彦氏の小説の中に『アメリカの一流ホテルでは客が「ポールモールと発音しても、黙ってペルメルを買ってくるのが一流のホテルマンだ』という台詞があります。
客に恥をかかせないのが一流ホテルマン、と言いたいのだろうし、実際、その通りなんだけれど、『本当はポールモールじゃなくてペルメルなんだぞ』と大藪春彦氏自身が言いたいから、そんな一節があるわけですね。
ハードボイルド小説って、そんな饒舌だったかしら?と峰不二子に言われそうです。