『盗むこと、それは秘密と重罪と、悪戯と恐怖のアマルガム』
「LUPIN the Third-峰不二子という女-」のオープニングに流れるテーマソングの一節として上記の台詞が流れます。
ルパン三世のテーマソングといえば、ジャズピアニストである大野雄二さんの楽曲と相場が決まっていますが、本編はスピンオフの作品という色調が濃いのであえて使われておらず、2011年から峰不二子を演じている沢城みゆきさんによる、峰不二子のモノローグがテーマソングになっています。
ルパン三世登場当時、アニメでありながらジャズタッチの楽曲をテーマにしたことも珍しかったけれど、モノローグというのもまた斬新ですね。
ちなみにモノローグは独白を、アマルガムは水銀と他の金属の合金を表しますが、広義には混合物全体を意味することもあります。
このオープニングを見ても分かるように、峰不二子のアイデンティティを自分自身で探していくというのが本編の縦軸になっています。
とはいえ、オープニングの画像はオリジナルのルパン三世を彷彿とさせる劇画タッチ、台詞は難解な心理小説に登場するような抽象的表現であり、ここからすでに『大人』だけを対象にしており、『子供』を除外していることが分かります。
ルパン三世本来のハードボイルド・タッチという意味では秀逸のシリーズです。