Categories: 言葉の力

家康に喧嘩を売った文面

信長公が本能寺の変で森蘭丸に言った言葉、「是非に及ばず」は武士に取って欠かせぬ言葉のひとつですね。

どっちが良い悪いとか理由はともかく、やるならやるぜ!

と、まあ、そんな感じでしょうか。

豊臣秀吉の死後、最高権力者となった徳川家康の元に上杉家が謀反を起こす、という知らせが入ります。

徳川家康はことの真偽を確かめるために時の藩主、上杉景勝へ上洛を申し出ますが、景勝はこれを拒否、この時、家老の直江兼続は徳川家康に対して書簡を送ります。

世に言う「直江状」ですね。

簡単に言うと、謀反を起こすことはありえない、謀反を起こすという根も葉もない情報に惑わされるとは家康公の威厳にもかかわること、よく調べられたい、という内容で、その中の一文に、

「景勝心中毛頭別心これなく候へども、讒人の申成し御糾明なく、逆心と思召す処是非に及ばず候、兼て又御等閑なき様に候はば、讒者御引合せ是非御尋ね然るべく候、左様これなく候内府様御表裏と存ずべく候事」

と書かれています。

景勝には逆心などありませんが、讒人(ざんしゃ:戯言を言う人)を調べることなく逆心があると言われれば是非もありません、元に戻るためには讒人を調べるのが当然で、それをしないようでは家康公に裏表があるのではないかと思われます。

という意味ですね。

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