キング牧師の「人は死んでも、その人の影響は死ぬことがない」という名言は偶然にも他のアメリカ人によって立証されました。
第35代アメリカ合衆国大統領、ジョン・F・ケネディ氏。
名言は数多くありますが、そのなかのひとつに、1962年9月、ライス大学で行われた演説があります。
「The Moon Speech」ですね。
ライス大学がNASAのために広大な敷地を提供、ケネディ大統領はライス大学から名客員教授として招かれ、最初の講義という形で演説が行われました。
「We Choose go to the Moon.~我々は月へ行くという選択をした。60年代が終わるまでに月へ行く~」
当時は米ソ冷戦の真っ只中。
60年代初頭、ソ連は宇宙開発でアメリカよりも一歩先んじていたため、アメリカ国内にはソ連に負けるのではないか、という不安が蔓延していました。
そんな時にケネディ大統領の、この言葉です。
アメリカ国民が勇気づけられたのは言うまでもありません。
そして1969年7月、本当にアメリカは60年代の終わり間際に月面へ人類を送りました。
残念なことにケネディ大統領は月面着陸を見ることはできませんでした。
1963年11月22日、ダラスで暗殺されてしまったからです。
もし、ケネディ大統領が推し進めたアポロ計画と、60年代に月へ行く、という言葉がなかったら、月面着陸はソ連に先を越され、その後の冷戦にも大きな影響を及ぼしたでしょう。
それを考えると、We Choose go to the Moon.は世界を変えた言葉なのかもしれません。
ちなみに1969年当時の軌道を計算する汎用コンピューターの演算能力は現在のパーソナルコンピューターよりも低いとか。
よく、そんな時代に月へ行けたものだ、と感心してしまいます。