これまでメジャー級ヒット作の名セリフを並べてきましたが、ここからは小規模な作品だけれど、観た誰もが好評価を与えた佳作の名セリフを紹介しましょう。
最初は1999年の公開された「ストレイト・ストーリー」です。
アイオワ州のローレンスに住む73歳の老人アルヴィンが、ウイスコンシン州に住む倒れた兄ライルの元へ8km/hしか出ない芝刈り機に乗って、560kmを走るロード・ムービーです。
なぜ足腰の弱った老人が芝刈り機で倒れた兄の元へ行くのか?
それは10年前に仲違いしたから。
その仲を取り戻すためには、誰の力も借りず、自分だけの力で行かなければならない、と決心します。
途中、いろいろな人と出会い、それらの人々はなぜ芝刈り機で兄の元に行くのか訪ねます。
その時、アルヴィンが応えるセリフがこれ。
「儂がライルを怒らせた理由がなんであれ、もはや問題ではない。和解したいんだ。あいつと一緒に座って星を眺めたい。ずっと昔、わしらがそうしていたように」
兄弟はもっとも親しい存在だから、なんでも言い合える分、喧嘩も壮絶になります。
でも、どれほど壮絶な喧嘩をしても心の奥底ではつながっていたい、と願うもの。
ラストシーン、頑固ジイさん同士の再会には、思わず心がほんのりと温かくなってきます。