「英国王のスピーチ」をもう少し、続けましょう。
ジョージ5世崩御の後はジョージ6世の兄、皇太子デヴィットがエドワード8世として即位しました。
しかしエドワード8世は離婚歴のあるウォリス・シンプソン夫人との婚姻を望んでいます。
王室では離婚歴のある女性との結婚が認められていないため、ついにエドワード8世は退位、シンプソン夫人と結婚したことからジョージ6世が即位しました。
時はドイツがヨーロッパを席巻し、イギリスも参戦することが余儀なく求められている時代。
やがてジョージ6世は英国民に向かってラジオで参戦と国民を鼓舞する演説をすることになりました。
その時の言語療法士ローグとジョージ6世の会話がこれ。
「The Nation believes that when I, sp…I’can, speak for them. Well, I can’t speak.(国民は信じている…わ、私が彼らのために喋ることができないと。確かに私は喋れない)」
「You can do it. You needn’t be governed by fear.(喋れますよ。恐怖に支配されてはいけません)」
そしてラジオ局でローグは「Forget everything else, and just say it to me.(頭をからっぽにして私に話しかけてください)」と言ってスタジオに送り出します。
恐怖に支配されるな、とはいつでも通用する名セリフですね。
ちなみにエドワード8世とシンプソン夫人の結婚は歴史上、「王冠を賭けた恋」としてロマンチックに語られていますが、劇中ではシンプソン夫人とエドワード8世が下品に振るまい、敵対的に描かれているのが興味深い点です。