「Go, ahead. Make my day.」の名セリフを生み出した「ダーティ・ハリー4」は1983年公開の作品で、当時、アメリカでは大流行、アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が選考する名セリフ・ベスト100でも堂々、第6位に入っています。
大流行の一因となったのが、第40代アメリカ元大統領ロナルド・レーガンが下院から増税案が提出されようとした時、拒否権を行使する用意があると述べて、次のようにスピーチしたことです。
「And I have only one thing to say the increasers. Go ahead, make my day.」
「増税推進論者に言うべきことはたった1つです。やってみろ、望むところだ」
いかにも俳優出身、スピーチ上手なレーガン元大統領らしい返答ですね。
ちなみに「ダーティ・ハリー4」が公開された年、アメリカはグレナダ侵攻の軍事行動を起こしていますが、レーガン元大統領はこの時にも引用、世論から大顰蹙を買っています。
クリント・イーストウッドは共和党支持派なのでレーガンが「ダーティ・ハリー4」の名セリフを引用するのは理解できるのですが、じつはイーストウッド、イラク派兵を行ったブッシュ政権には大反対の立場をとっており、共和党からは中道派と認識され、個人的・経済的自由を重視するリバタリアニズム主義者です。
最近のイーストウッドの作品を見るとその傾向がよく表れているといえるでしょう。