「ウィルソン、ごめんよ…」と大海原でつぶやく名シーンを持つ「キャスト・アウェイ」、もっと役に立つ名セリフを紹介してくれ、と言いたそうなので、もうちょっと話、続けましょう。
「今、やるべきことは息をし続けることだ。そうすれば明日また太陽は昇る。そうすれば並が何か運んでくるかもしれないから」
無人島で暮らす主人公チャックの独白です。
この台詞は伏線ですね、
後半、主人公のチャックは貨物船に助けられますが、奇跡として迎えてくれた社会はチャックがすでに死んだものとして経過していただけに、婚約者のケリーはチャックが通っていた歯医者と結婚、子供までいました。
失意のチャックはケリーに言います。
「4年間、ケリーが心の支えだった。ケリーのおかげで生き延びられた…しかし、それでも私は生きていくしかない。太陽が昇れば1日が始まる。だから私は息を吸って生きていくしかないんだ」
失意の言葉のように思われますが、島でそうしたことによって生き延びたように、また息を吸って生きていくことで、希望のあるラストシーンを迎えることができたわけですね。
そう、どれほど失意にあろうと、生きてさえいれば新しいことがやってくる。
監督のロバート・ゼメキスはそう訴えているのでしょう。
ちなみにゼメキス監督、やはりトム・ハンクスと組んだ「フォレスト・ガンプ/一期一会」以来、ヒューマニズムの映画ばかり撮っていますが、もう「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいな脳天気な映画は作らないのでしょうか?
あれはあれで、面白いと思うのですが。