1958年に公開された西部劇「大いなる西部」から、人生に役立つ(かもしれない)名セリフを紹介しましょう。
「あなたは臆病者と思われているのよ?」
「そうではないが、勇気を見せびらかす必要もないだろう」
主人公ジェームズと婚約者パットの会話です。
簡単にストーリーを説明すると、荒野の水源を巡る街の有力者争いの中、ジェームズはなんとか平和的解決に持ち込もうとするけれど、結局、有力者同士が決闘を行って相討ちになり、ジェームズは婚約者パットと共に水源地で新しい生活を始める、という感じですね。
そういえば黒澤映画「七人の侍」でも、志村喬扮する島田勘兵衛と村人が侍を集めるシーンで、いかにも強そうな侍ではなく、一見、穏やかな片山五郎兵衛(演じるのは稲葉義男)を選び、島田勘兵衛が仕掛けた腕試しを一目で見抜く場面がありますが、本当に強い男は強さ自慢しないもの、と映画は教えてくれます。
若年層はどうしても自分の中身の薄さから虚栄を張りたがるもので、それもまた若者の特権でもありますが、最近は虚栄を張る者が少なくなったばかりか、大人まで中身が薄くなって若年層の虚栄を戒めるどころか、見て見ぬフリをするようになってしまっているのですから、困ったものです。