1942年公開の「カサブランカ」はアメリン・フィルム・インスティチュート(AFI)が選ぶ名セリフ・ベスト100の中に6個もランクインするほど名セリフの宝庫です。
「Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.(ルイ、これが友情の始まりだな)」
映画を観ていない人には分かりづらい名セリフですが、ベスト100では20位と上位にランクインされています。
ルイ、とはカサブランカの地元警察署長。
「カフェ・アメリカン」を経営するリックとは一応、敵対関係ですが個人的にはシンパシーを感じている間柄です。
ラストシーン、解放運動のリーダー、ラズロを元恋人のイルザと共に逃すのですが、その時、リックはルイを利用、そしてラズロを追うドイツ人将校を殺しますが、あえてそれを見逃すのがルイ。
その時にリックが上記のセリフを言うわけですね。
ラブ・ロマンスでありながらラストシーンは自己犠牲と男同士の友情でまとめているところから、これが女性だけでなく、というよりむしろ、男に受ける映画になっている理由でしょう。
それまでのリック、真っ白なタキシードを着て唯我独尊の強さを見せているかと思えば、元恋人イルザの思い出に耽って「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」の名曲でシクシクするなど、カッコいいんだかメメしいんだか、良く分かりませんでしたが、この最後のセリフとボルサリーノにトレンチコート姿で男たちの溜飲を下げた、と言っても過言ではありません。
うん、やっぱり男はこうでなくっちゃ。